ケーブルテレビの役割ってなんだろう?
~防災の視点から考えてみた~
2026年07月09日

TOKAIグループでは現在、静岡県・東京都・神奈川県・千葉県・長野県・岡山県・宮城県・沖縄県の1都7県で、ケーブルテレビ(以下CATV)事業を展開しています。
CATV事業では地域密着のケーブルテレビの強みをいかして、コミュニティー放送*にて地域のリアルタイムの情報をお届けしています。
* コミュニティ放送とは、ケーブルテレビ事業者が、制作・提供している地域密着型の放送サービス。
今回は「防災チャンネル」を放送している倉敷ケーブルテレビ報道制作課長の岡村さんに、ケーブルテレビの役割について防災の視点からお話を聞きました。

▲倉敷ケーブルテレビの副調整室
― まずは、普段の番組作りでケーブルテレビ局として大切にしていることについて教えてください。
倉敷ケーブルテレビ(KCT)では
【KCTコミュニティ放送はまちづくりの合意を形成するための道具である】
という放送基本理念を定めており、すべての番組作りで大切にしています。
KCTコミュニティ放送は、「驚愕するニュースやドラマ」ではなく「住民や隣人の出来事」を報じることが自身の役割であり、市民にとってこれが重要なニュースであり、感動的なドラマであると考えています。
常に私たちのまちに住む人たちの動きをしっかり記録・放送し、伝えていくことでまちづくりに貢献していく使命感を持って取り組んでいます。
― 地域のありのままを伝えていくことが、まちづくりへの貢献にもなっているんですね。
― ではいざ災害が発生した時のケーブルテレビの役割についてはどのようにお考えですか。
全国放送ではできないきめ細やかな情報をしっかり届けていくことがケーブルテレビの役割だと思っています。
災害時には驚愕するような災害の映像や、都道府県単位の抽象化された情報が多くなります。
一方で、ケーブルテレビは私たちが住む地域の避難の参考になる情報・映像や生活支援情報を詳しくしっかり伝えることが期待されています。
これまでにも大雨・台風など大きな被害が発生する可能性がある時や、避難が必要な状況の際には緊急放送を実施してきました。
また新型コロナウイルス感染症の世界的流行(パンデミック)の際にも県や自治体の会見を中継したり、各エリアに特化した細かな情報を発信したりしてきました。
今では”何か大きな動きがあればケーブルテレビでやっている”ということが認知されてきており、その結果、視聴率も高くなっています。
視聴者の皆様の期待に応えられるように日々頑張っています。
― 倉敷ケーブルテレビには「防災チャンネル」がありますが、そもそも防災に特化したチャンネルを開設したのはなぜでしょうか。
(2026年7月より「天気・防災 くらしの安心チャンネル」としてリニューアル)

▲KCT自主放送チャンネル再編表
2018年の西日本豪雨災害で弊社エリアの倉敷市真備町が水害にあい、地域住民に早めの避難を呼びかけるツールを作りたいと整備し、2020年7月1日にスタートしました。
開設にあたって当時の担当者は、予算面やライブカメラの選定・折衝などいろいろと苦労した点もあったようです。
例えば、当時は県の河川ライブカメラで利用できるものがなく、国管理のカメラの映像しかありませんでした。
そこで地域で主要な河川のひとつである倉敷川に自社カメラを新たに設置するなどして準備を進めました。
現在では、全部で9台の自社カメラと国管理のカメラ映像とを合わせて防災チャンネルで放送しています。
― 西日本豪雨ではいかに情報を伝達するのか、その重要性が注目されましたよね。
ミクロの情報を届けられるチャンネルの整備はとても意義のあるものだと思います。
当時は特に被害の大きかった真備地区がメディアで取り上げられる機会が多かったのですが、実際にはその他の地域でも様々な被害がありました。
そうした全国ニュースではなかなか取り上げられない地域の情報を伝えていくことが、ケーブルテレビの持つ大きな意義だと思っています。
― 防災チャンネルではどのような内容を放送しているのでしょうか。
2026年7月に大幅なチャンネルの改変がありましたが、2020年の開設から2026年6月までは特番や議会など長尺番組のある時間を除いた枠で防災情報を放送していました。
また、緊急時には放送を手動で切り替えて防災に特化したチャンネルに変更していました。
チャンネル改変後の現在は、12ch(サブチャンネル)での決められた時間帯の放送に加えて、112ch(裏チャンネル)で「天気・防災 くらしの安心チャンネル」として24時間専用チャンネルとして放送しています。

▲新防災チャンネル「天気・防災 くらしの安心チャンネル」平時(イメージ)
― 24時間ですか!すごいですね。
KCTだけではなく他にも同じように24時間の専用チャンネルとして放送している所はありますが、KCTの特徴は、平時はお天気チャンネルのコンテンツも混ぜ込み、天気・防災を統合して1つのチャンネルで暮らしの情報が得られるようにしている点です。
また交通情報についても、これまでは民間の鉄道会社情報のみでしたが、リニューアル後はJRを含むすべての鉄道路線に加え、国道や県道など主要道路の混雑情報もお伝えできるようになりました。
放送は気象警報や地震が発生すると自動で緊急モードになります。
これまでは手動で切り替えをしていましたが、自動化させたことで迅速に対応できるようになりました。

▲新防災チャンネル「天気・防災 くらしの安心チャンネル」緊急時(イメージ)
― 初期対応が手動から自動に変更になったことで、今まで以上にリアルタイムに情報を発信できるようになったんですね。
はい。
お天気チャンネルのコンテンツや自社で制作した情報画像を取り込むなど、必要な情報を追加したり取捨選択したりしながら、災害発生から落ち着いた後の災害支援情報までを一貫して防災チャンネルで放送していくシステムになっています。
また、テレビ放送が停止してしまった(停波した)時や災害発生時にはKCT公式YouTubeチャンネルでも同時に生配信(サイマル放送)したいと考えています。その実現に向けて、現在は放送で使用している各コンテンツの提供会社と前向きに協議中です。(※2026年7月現在)
― 最後に、運用体制はどうなっていますか。
大雨・地震などレベルに応じた放送行動基準やアナウンスマニュアルなどを整備して運用しています。
避難指示などがあった際は、スタジオから緊急生放送を実施しています。
また、放送制作部員全員が参加して行う訓練なども年に数回行っています。
― 平時から地域の防災情報を総合的に放送する体制を整えることで、地域コミュニティの安全に寄与しているんですね。
今年も既に台風による被害が発生しています。
異常気象などによる自然災害が増加している現在、迅速で正確な情報伝達の重要性はますます高まっています。
地域に根差した番組作りをしているケーブルテレビだからこそ伝えられるきめ細やかな情報が、その情報を必要とする人々に確実に届くよう、これからも地域とともに成長・発展していきます。
※2026年7月に自主放送チャンネルの再編を行いました。詳しくは倉敷ケーブルテレビのホームページをご覧ください。
https://www.kct.co.jp/news/service/010916.html
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- この記事を書いた人
- ふかさわ
趣味の写真撮影や推し活に日々勤しんでいます。アイコンは我が家の玄関を飾る盆栽のぬいぐるみです。Storiesではグループの幅広い事業活動を分かりやすくご紹介していきたいと思います。
